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目が覚めたら横に初号機が寝てたスレ

84 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/01/07 10:51 ID:???
気がつくと朝だった。
いつ眠ったのか、いつ目が覚めたのか、はっきりしない。
目を開けたら初号機が傍に膝をついて覗き込んでいた。その向こうに青空と流れる雲が見えた。
彼がまばたきすると、エヴァは立ち上がって視界から消えた。背中から伸びる
長い光の羽根が一本、エヴァの動きに従って緩やかに空中を泳ぐ。
彼はそれを目で追って、それから起き上がった。
また砂地の上に寝ていた。ふと横に目をやると、完全に消えた焚火の残骸が黒く残っていた。
砂を払って立ち上がり、大きく深呼吸してみる。途端に咳き込んだ。
空気はびっくりするほど冷たい。
同時に寒さの感覚が戻ってきた。半袖から出ている腕が、何か鈍い刃物で切りつけられるように痛む。
あまりに冷えきっているために、普段は感じない空気の抵抗が何倍にも増幅されているらしい。
寒さってある意味凶器だと思った。吐く息が白く凍る。
彼は両腕で身体を抱え、足踏みをしながら周囲を見回した。
湖は真っ白な靄に包まれていた。湯気のような蒸気の流れに隠れて、水面は見えない。
と、岩山の向こうから太陽の光が射した。
暖かい光が湖面に溢れる。最初の陽差しを受けて、靄が一斉にまばゆく輝き出す。
彼は目を細めて、光を放ちつつ融けてゆく朝霧の渦を見つめた。
背後で足音がした。
一瞬、昨夜の出来事が頭の中を走り抜ける。彼は大きく振り返った。
そこにはエヴァが立っているだけだった。
「あ…」
力が抜けた。無意識のうちに緊張していた全身が緩む。彼は唇を噛んだ。
やっぱり誰かに会いたくてたまらないのだ。
その癖、それと同じくらい強く、怖がっている。
エヴァ相手ならここまで動揺も不安も、期待も、感じないのに。
いつまでもこのままじゃいられない。でもまだ、どうすればいいかわからない。
彼は、自分よりかなり背の高いエヴァを見上げた。エヴァはごく静かにそこに立っていた。
何も応えず、何も表さず、何も示さないまま。

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